本編 第七十三話<小説:スマブラTOP
第七十三話
乱闘仲間は大歓迎!
「つまり、相手にダメージを与えて吹っ飛ばして場外にすればいいってこと?」
「簡単に言えば、そうよね」
ポーラが確認のために聞き直した発言に、ゼルダはにっこりと頷きながら答えた。
「まぁ、ふっ飛ばすんじゃなくて外に叩き落しても良いんだけどね♪」
と楽しそうに言うのはナナ。そうそう、とカービィも笑って続けた。
「器用に出来ればいいんだろうけどな〜。俺落ちるしなぁ」
そんなロイの発言に、マルスは苦笑する。
「それは得手不得手があるからね。落下速度が速い人はそのまま自滅しがちだし」
マルスが言うと、ポーラは納得したように頷いて見せた。
「面白そうねぇ……PSIは使っていいの?」
「それはもちろん。ネスさんの使う技は、どれも強力ですからねぇ」
次のリンクの返事にポーラが嬉しそうな顔をするのとほぼ同時に、そのネスが口を開いた。
「乱闘中にPPが全くなくなったら困るから、使うのはPKファイア、サンダー、フラッシュぐらいだけどね」
「そう? やっぱり連発するの?」
とネスのほうを向いて質問を投げかけるポーラ。ネスは小さく微笑みながら、うんと頷いた。
「空中ジャンプができなくなると困るから、PPの使用は控えてるんだ」
「あぁ、そういえばあれも超能力だっけ?」
はっと思い出したように、子供リンクが尋ねた。ネスはまたしても『Yes』の返事をする。
「そりゃ、あんな動き方をするジャンプは超能力使ってるだろ〜」
ロイの発言に、子供リンクはぷくぅと頬を膨らませた。リンクはその様子に苦笑している。
「空中ジャンプ?」
「うん。落ちないようにするゲームだから、吹っ飛ばされた後もPSIを使って空中でジャンプしてるんだ」
「ネスさんのあれは、ジャンプって言えるのか微妙ですけどねぇ〜」
ぽつりとヨッシーが呟いた言葉に、『(同感。)』とミスターも応えていた。
「それもルール内なの?」
「うん。皆空中ジャンプは利用するよ。プリンやカービィなんて、フワフワと浮いて戻ってくるんだから」
「プリ!」「えへへ、ま〜ね〜」
名前があがった二匹がそう声を出すと、ポーラはまた意外そうな顔でそちらを見た。
「浮いて戻ってくるって……限度はあるの?」
「そりゃあ、なきゃ最強になっちゃうからね」
ネスの言葉の直後に、赤い帽子を被った男が『まぁ、ある姫はそれ以上な能力使ってるけどなァ』と呟いていた。
「あぁ、あと、どうしても距離が届かないってときは、PKサンダーを自分の身体に当てて反動で吹っ飛ばしてたり」
「えぇ!? それ痛くない!?」
「うん、ちょっと痛い」
驚いているポーラを他所に、ネスは少し眉を寄せながらもさらりと答えた。
「でもPKサンダーで戻ってこられると厄介なんだよなぁ。あの時のネスにぶつかるとこっちが大ダメージ受けるしな」
そう言ったのはフォックスだった。あぁ確かに、とロイも同意する。
「帰ってくるときに技を利用するのは、みんなよくやるでしよ」
プリンもがそう言ってくるので、ポーラは『そんなものなんだぁ……』と納得したようだった。
「でも、ステージに戻るためにPKサンダーを使うって事は、PKサンダーを使うのは空中でってことよね?」
ポーラの問いに、ネスは軽く『うん』と返事をする。
「足場が無くて不安定なところで、PKサンダーを後ろから自分の身体に当てるってこと!?」
改めてそう言われてみると、ネスは随分すごいことをしていたんだなぁと数人が思った。
だが当の本人はまたもさらりと『うん』と答える。
「まぁ、僕はそうやってるけど別にポーラがそうやらなきゃいけないって事じゃないし」
「それはそうだけど……」
少し不安げな様子を見せるポーラに、彼女の後ろからロイがこう言った。
「とりあえず、やってみりゃいいじゃねえか。勝ち負けは二の次で、楽しめば良いんだしな」
そのロイの発言に、ネスもくすっと笑う。
「どうせこの大乱闘自体、大人も子供も楽しめる遊びって感じだからね」
自分の友人もこう言ったことで、ポーラは表情を笑顔に変えた。
「うん! それじゃ、フライパンを持ってくるわね!」
え、とマリオ兄弟が驚いたとき、マルスは小さく笑いながらロイに対しこう声を掛けていた。
「勝ち負けが二の次なんて、勝ちたがる君がよく言えたものだね」
「マールースー、そういうところはツッコむなよな」




だが、ポーラがフライパンを持ってきたあともすぐには乱闘は始まらなかった。
戻ってきた彼女が見たのは、色違いで同じ服装をしている二人の口げんかである。
「そんなにやりたいなら、一人でやればいいじゃん!」
「一人じゃどれだけ苦戦するか、ポポが分からないはずないでしょ!?」
「だから一戦くらい待ってくれたっていいでしょ! 乱闘したい人は沢山いるんだからさ!」
ポポの近くでは、ねばねばマシンを持ったジェフが申し訳なさそうな苦い表情をしている。
その様子にポーラがぽかんとしていると、それに気づいたネスがくすっと小さく笑った。
「乱闘はチーム戦を除いて基本は一人ずつそれぞれなんだけど、彼らは登山家で、二人一組が基準なんだ。だからあーなって」
ネスが見たほうには、ナナとポポが変わらずに言い争っている姿があった。
「あれって、どういうこと?」
相手に近づいて、小声でそう問いかけると、ネスは呆れたような薄い笑顔になる。
「ナナちゃんは乱闘しようって言って、ポポ君はねばねばマシンの解説のために一戦だけ待ってって言ってるの。それでケンカにね」
それはまた微妙なことで……とポーラが呆れているような表情をしているころ、ポポが思い出したようにこう口にした。
「大体、ナナ、調べごとがあったんでしょ! ジェフに聞いてみればいいじゃんか!」
聞いた途端、ナナの口がぴたっと止まる。そして視線を一瞬右上へと動かしたかと思うと、次には表情を明るくして胸の前でぱちんと手を叩いた。
「……そういえば、そうよね」
今思い出したと言わんばかりに、ナナは冷静な声でそう言う。それじゃあいっかとあっさり引き下がると、ナナはネスのほうを向いた。
「ネス君は乱闘しないの? ポーラちゃんが初めてなら、ネス君もいたほうが安心じゃない?」
「うーん……そう? ポーラ」
分からないというように、ネスはそう答えてからポーラの方を見た。相手は少し考えるような様子を見せる。
「まぁ、確かに知っている人が誰もいないと不安かもしれないけど……」
「ほら! じゃあネス君も行ってきなよ! 私はこっちでお喋りしてるからさ」
そのナナのなにやら嬉しそうな台詞に、ポポが呆れたような表情を作る。ポーラはその様子の意味が分からなかったようだが、ネスは普段通りの小さな笑みを見せていた。
「じゃ、最初はどこで誰がやる?」
ロイが言うと、カービィが小さい手を挙げてジャンプしながら『はいはーい!』と発言する。
リンクはその様子を笑いながら見て、直後ロイのほうを向いて言った。
「ロイさんだってやりたいんでしょう?」
「ははは……バレた?」
「いつもの事ですから」
悪びれる様子もなく、さらりとそう答えるロイにリンクは声に出さず笑う。
「俺も対戦はしてみたいな。そっちの弁髪のはどうするんだ?」
フォックスがネスの隣にいるプーのほうを見ながらそう言うと、本人よりも先に、ネスが反応した。
「プーも乱闘やってみようよ! 面白いよ!」
と満面の笑みで言うが、言われた相手の表情はほとんど変わらない。ただ視線をネスのほうに移しただけだった。
「特にやらない理由もないが……いいのか? 部外者が入って」
「プーは僕の友達だから部外者じゃないから良いの!」
声を大きくして言うネスに、屋敷の者達は意外そうな顔でそちらを見る。ポーラとジェフは特に気にするほどでもないようだった。
「じゃ、いこ?」
珍しく先導を取るネスに、ロイが思い出したようにこう告げた。
「乱闘じゃひいきは駄目だぞ?」
ネスはプーの方を見たあと、ロイの方へと向き直りにこっと笑顔を見せる。
「もちろん。正々堂々が一番楽しいから♪」
その笑顔はいつも見る表面だけのものではなく、心の底から楽しんでいるような様子だった。






そして、話し合いの末決まった乱闘場所は戦場だった。
オネットではどうかという話も上がったが、あそこでは落下の雰囲気が味わえないからという理由で却下となったようである。
もっとも普遍的なステージ、と考えられて上げられたのがここだった。
「さーてと、準備も整ったことだしやるか!」
「おー!!」
と元気に発言しているのはロイとカービィ。ポーラはそのステージを見て、こんなものなんだぁと驚いたような感心したような様子を見せていた。
「あ、ちなみに、遠慮はなしだからね。遠慮してたら乱闘にならないから」
そう言うネスは、側にプーがいないせいか表情が普段の薄い笑顔である。プーは現在、リンクやフォックスなどと一緒に観客席だった。
観客席がどこにあるかという発言は、ひとまず置いといて。
「うん、分かってる。容赦しないからね、ネス?」
ポーラの発言に、ネスはにこっと笑う。少し後に、戦闘開始を表すカウントダウンが始まった。

Ready... Go!

その音と共に、とある人物がポーラめがけて駆け出していった。



特にネタも考えず思いつくまま書いていきましたが、乱闘になりませんでしたね(爆。
それにしてもポーラとかがスマデラに出てないのは、やっぱり技不足ですかねぇ?
ネスも足りなくてPKファイアとかPKサンダーとか貰ってますし(爆。

平成18年2月26日UP


七十二話に戻る   七十四話に進む

スマブラ

TOP

最終更新:17:53 2006/07/09




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!