望むものは、必ず手に入り、 だが望むものは、満足するまで手に入る事はない。 なぜなら、 人の望みは、決してなくなることはないからである。 現実において、無限に存在するものなどありえない。 だが人が望むことには、限りがない。 だから、いずれは現実において望まれるものが足りなくなる。 即ち、それは望みが満たされることはないことを意味する。 不要なものほど、よく手に入る、と思う事はないだろうか。 それも、上記に同じことである。 要らぬ、と思うということは、即ち欲しいと思う量が少ない、 もしくは欲しいと思う量が全くない、ということである。 だが、人は常に何かを得る。 それが不要であろうと必要であろうと、お構い無しに。 得る量は同じである。 だが、不要なものは『こんなに要らぬ』と思い、 必要なものは『もっと欲しい』と思う。 たったそれだけに過ぎないのである。 だから、欲望に支配された人に私は 『現状に満足する』ことをお薦めする。 これ以上何も要らぬ、と、思ってみることだ。 今の様子を客観的に見てみると、実は意外に 既に裕福だったりはしないものか? 幸せは、その中に隠れている。