人は皆、同じくらいの財産を持っているのだと思います。 事典では、『財産』の定義は 『自分自身が蓄積したり、親などから譲り受けた金銭、または それと等価値を有する土地・家屋・宝石など。』 Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997 と、ありますが、 私は、色々なものが財産に入ると思います。 生まれたばかりの赤ん坊には、『時間』という財産が。 寿命で死ぬ直前の老人には、『経験』や『思い出』という財産が。 もちろん、お金や、土地、恋人まで、すべてはその人の財産として括れるものだと思います。 それは全ての人にとって平等で、その価値は全く同じ、ではないかもしれませんが。 自分の財産を、どんな形にするかは、自分の自由です。 人はそれの形や質を変える事によって、増やしたり、はたまた減らしたりするのだと思います。 そうやって貴方好みのものへと変化したそれが、『貴方の価値』というものになるのだと思います。 人は皆、『時間』という財産を使って生きているのだと思います。 それは、誰もが使おうと思わなくても使うこと。 ――私のような愚か者は、それを使うのが嫌で“永遠”を願ったりするわけですが―― 貴方の財産である『時間』は、今この文を読んでいる現在も刻々と減っています。 そして貴方は『経験』という、時間を使わずには決して得られない財産を得ていくということです。 『時間』の価値は同じ量であるかぎり全く同じですが、 『経験』の価値、そして『時間』を使って培ってきたものたちの価値は人それぞれによって違います。 使った『時間』の量が同じであったとしても。 だから私は、自分が使う『時間』の量に対して より多くの価値のあるものを作りたいと思うのと同時に、 私に関わる全ての人に、私自身に願うのと同じように 自らの価値を高めて欲しいと願うのです。 その人が喜ぶ生き方をしてほしいから。 それは私の我儘なのかも知れませんが。