結局ほぼ永遠に続きましたとさ。<小説:スマブラTOP
結局ほぼ永遠に続きましたとさ。
「違う!そんなことなんて他のヤツにも出来るだろ!!」
「そちらだって、三段できて何になると言うんですか!?」
マルスが何やらうるさい口喧嘩によって起こされた。
何かと思ってその場に行くと、いつも気が合わない二人が何かについて言い争っている。
「三段ジャンプは個性だろーが!空中ダッシュは他にも出来るヤツがいるんだよ!!」
「そうは言いますけど、そちらは空中でどのくらい技が使えるんですか!?こちらより多いと言えるんですか!?」
ロイとリンクである。
何の事がらについて言い争っているのか、マルスには分からなかった。
他の者たちもこのうるささで起きてきている。
「これは技数じゃねーんだよ!通常攻撃がカギを握るんだ!」
「しかし技は多いに越したことはないでしょう!そんなことを言うから行動がワンパターンになるんですよ!!」
「んだとー!!」
だんだん声が大きくなっている。
『ねぇロイ兄ちゃん、何の話してんの〜?』という子供リンクの声や、
『リン君、朝ごはんは〜?』というカービィの声も耳に入っていない。

「絶っ対チップだ!!」

「いいえ、ミリアです!!」

これ以上は近所迷惑だろうと思うほどの声に達したその時、ちょうどマルスの堪忍袋の緒が切れた。

「二人とも、いいかげんにしないかー!!」

言い争っていた二人より大きなマルスの声に、その場にいた者たちは硬直した。
ロイとリンクも驚き、黙る。
「あ、マルス…いたのか。」
「マルスさん、みなさん…おはようございます…。」
リンクは周りを見回して、現状を理解しながら言った。
迷惑をかけたと思ったようで、リンクの頬が少し赤くなる。
「で、二人とも。何のことを話してたんだい?」
マルスが腰に手を当て偉そうに質問した。
「ギルティで、誰が一番空中制動力があるか…って。」
「ロイさん、その説明じゃ分かりませんよ。2Dの格闘ゲームのキャラクターのことです。」
リンクに訂正され、ロイは先ほど見ていた睨むような目でリンクを見る。
とっさにリンクも睨み返したが、マルスがさらに怒ったような素振りをしたのであわてて止めた。
「…で、ゲームのことについてこんなに言い争ってたの?…って、ゲーム…?」
数人が驚いた目でリンクを見る。

「リンクがゲームー!?」

「?…みなさん、どうしました?」
本人は、驚かれている理由が分からないようだった。
ロイがこの状態に気がついて話し出す。
「ああ、みんなリンクが隠れゲーマーだってこと知らなかったんだな。」
『コイツ、かなりの通なんだぜ♪』というロイの続きの言葉を聞いて、リンクは他の人に聞こえるように呟く。
「まったく…ロイさんのおかげで部屋にひとりで閉じこもることが増えてしまいましたよ。」
それには『え?』と思う者がまた多かった。リンクが部屋に閉じこもっている時間なんてほとんどない気がするからである。
「リン君ー、とりあえず朝ごはんー…。」
カービィにそう言われたので、とりあえずリンクは今日の当番の者と朝食作りを始めることにした。

そして朝食後。
ロイが自分の部屋からゲーム機の本体を持ってきていた。
どうやらリンクと対戦するために持ってきたようである。
「リンク!ボタン配置ちょっと違うけど気にすんなよ!『×』がパンチで『○』がキック、『□』が斬りで『△』が大斬りだからな!」
見たところ、リンクも乗り気なようだった。頭で考えながら右手親指を少し動かす。
「…分かりました。PS2版の方が得意ですから配置はどうでも構いませんよ。」
2プレイヤーのコントローラを手に取り、ロイの隣にあぐらをかくように座った。
視線はもちろんテレビ画面。
「言ってくれるじゃねーか。そんなこと言って負けまくったら嫌だよなー。」
外からは、お互いに相手を挑発しているようにしか見えなかった。

『退屈な人…。』
「んのやろー!!」
画面には、一人の(長さが変わる)金髪の女性が立っていた。
ロイが悔しがっているところから、どうやらリンクが勝ったらしい。
「フゥ…これだけ勝っても、まだミリアよりチップが強いと言うんですか…。」
朝食の時間からはかなり経っているのに、この二人はずっとゲーム画面の前にいたようだ。
「『これだけ勝っても』って、二・三回に一回は俺が勝ってるだろ!俺はレバーの方が得意なんだよ!」
ロイは態度をでかくして言う。
「負け惜しみにしか聞こえませんよ。アーケードはお金がかかるからあまり好きではないんですが…。」
諦めの悪いロイに困り、リンクはそう答える。
この相手にとってはあまり効果がないのだが。
「ゲーセンだったら絶対俺が(チップが)勝つ!今からゲーセン行くぞ!!」
そんな風に話している二人に、またも関係のない人物が口を出した。
「リン君ー。お昼ごはんー…。」
「あ。」
時計の短針はほぼ真上を指していた。
カービィにそう言われ、リンクが今までの対戦相手を見ると、ロイは…。
「…昼メシ食ってからゲーセン行くぞ!」
先ほどの言葉を修正していた。

あっというまに時計は六時を指していた。
昼食後すぐに出かけた二人はまだ帰ってこない。
「リンクもロイも…一体何をしているんだろう…。」
マルスの一人言である。カービィが『まだ対戦中なんじゃないの?』と返事をした。
「じゃあもう遅いし迎えにいってあげよっか♪」
カービィは何故かとても嬉しそうに言う。
確かに迎えにいったほうがいいと考えたマルスは、カービィの考えていることを推測して言った。
「カービィ、おやつは買ってあげないからね。」
「ちぇー。」
やはり目的はそれだったらしい。
少々残念がっているカービィをつれてマルスはロイ達がいるゲームセンターへと足を向けた。

『KAMIKAZE(神風)!』
「あっ…〜〜!!」
二人が到着して画面を見たとき、そこには銀色の髪のまるで忍者のような服装の男が立っていた。
ロイのいる方の画面を見たので、リンクが何をしているかは見えない。
「ロイ、そろそろ帰ったほうがいいんじゃないのかい?」
突然うしろから声を出されたので、ロイは少し驚いたようだ。
画面には対戦中だったはずなのに急に赤い画面が出た。
「あっまた乱入しやがって!…マルス、リンクが乱入してくるかぎり終われねーよ…。」
そう言われ、マルスは反対側へ移動した。
そこではリンクがずっと使っていた女性を選んでいる。
「リンク、そろそろ帰った方がいいと思うんだけど…。」
「リン君、晩ごはんー…。」
その言葉で、迎えが来ていたことに気づいたようだった。
「あ、マルスさん…ロイさんに勝たせたまま終わるわけには行かないんです。それとカービィ、夕食は今日の当番の二人だけで作ってもらってください。」
その一言を放ってすぐ、リンクはまた画面に目をやる。マルスの返事はたぶん耳に入っていなかっただろう。
「…ロイも同じことを言うような気がするんだけど…。」

数回後、強い攻撃を食らったようで、銀髪の男がやっと二回倒れた。
どうやらリンクが勝ったようである。
ここぞとばかりにマルスはロイのほうに回った。
「ねぇロイ、もう帰らないか?夕食の時間はとっくに過ぎているよ。」
「今のは偶然負けただけだ!普通なら俺が勝ってんだよ!」
マルスに返事をしながらロイはまた百円玉を入れた。
何度も見た赤い画面が出て、キャラ選択画面へと移る。
それを見てか、反対側からリンクの大声が聞こえた。
「ロイさん、いい加減にしてください!終われませんよ!」
とっさにロイも大声で返す。
「それはこっちのセリフだよ!お前俺の三倍くらい金使ってんだろ!?」
「ロイさんが勝ったまま終わると『ミリアよりチップの方が絶対強い』と勘違いするからダメなんですよ!」
「だって本当の事だろーが!!」
「キャラに強い弱いはありませんよ!使う人によるんです!!」
二人は言葉でケンカをしながら器用にゲームも対戦していた。
いくらうるさいゲームセンターでもこれは近所迷惑だろうと思われるような言い争いに、またもある人物がキレたようだった。

「いーかげんにしろ二人とも!!」

ガン ガン

マルスは二人を順番にグーで殴り、乱入中の画面をそのままにして二人を引きずってゲームセンターを出た。
「「…ごめんなさい。」」
引きずられて歩いていく二人の声がハモったのには、何か意味はあったのだろうか。

翌日。
もう昨日のことについて言い争いはしていないだろうなと考えながら自分の部屋から出てきたマルスは、驚くべき光景を見た。

「ブリジットでしょう!」

「いーや、アクセルだって!」

その場には、昨日と同じようなシチュエーションがあった。
そしてマルスが『なんだか名前が変わっているような…』と感じたのも無理はない。
本人たちに今度は何を言い争っているのか聞こうとしたマルスに、ある少年が説明をする。
「なんか、今日は『どっちが遠距離に適している武器か』ってことらしいよ。」
ネスにその話を聞いて、またも自分に気がついていない二人を呆れた目でマルスは見た。
「…もういいよ、ほっとこうか…。」
『ソルとカイでどちらが主人公らしいか』や、
『ポチョムキンとファウストではどちらが人間離れした体格か』など、
それらは毎日変わって数日続いたとの話である。



まず…
マルス、何回もキレさせて御免なさい(爆
本編でまだ出てないからマルスとロイ初登場だったりします(をいをい)。
ここのロイは『俺』〜♪気分悪くした方、スミマセ(だったらやめろ

ネタとなったゲームは『ギルティギア イグゼクス ザ ミッドナイトカーニバル』でした。
平成15年6月1日UP


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最終更新:18:11 2006/07/09




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