その夢の始まり
どうやら、私以外の人には見えないし声も聞こえないらしい。 洗面所に行って鏡を見ても私しか映らなかったし、部屋に帰る途中に妹と会っても全く反応しなかったし。 携帯で写真を撮ろうとしても、汚い私のベッドが虚しく映るだけだった。 ……あ、汚いってのは汚れてるんじゃなくて、散らかってるって事で。 「ぐ〜っ」 「「!」」 私はとっさに腹を押さえた。 急になるな!私のお腹! あっちを見るといるのが見える。 「そーいえば、朝ご飯食べてないじゃん……何か食べに行こ、」 「?」 私が言った事に驚いたのか、は少しぽかんとした顔をしていた。 「か?」 そんなに驚く事じゃないと思うんだけど……。 「だってお腹空いてるでしょ?簡単なものしか作れないけど、一緒に食べよ?」 私は思ったのよね。 何てゆーかありえない話ではあるけど、と一緒にいられるってこと自体はすっごい嬉しい訳だし。 人生、楽しんで生きることが大切だし。なんて。 『、一緒に一階の食卓へと向かった。 二人分のチャーハンを作って、テーブルに皿を並べて。 盛り付けている時、誰かが階段から降りてくる足音が聞こえた。 「あれ?何してんのそれ?」 その声に、私は顔をそちらに向けた。予想通りというか、相手は姉。 「朝ご飯だけど?」 「じゃなくて、何で二人分かってこと」 そう言いながら姉は階段を下りて、玄関の方へと歩いている。 途中、がぶつかりそうになって、彼はそれを避けていた。 ……やっぱり、見えてはいないらしいね。 って、質問に答えなきゃ。えーっと……何て言おう。 「あっ、もしかして今から誰か来んの?」 「えっ……あぁ、まぁそんな感じ。お姉ちゃんは?」 途中、チラッと盗み見るようにの様子を伺う。 喜んでるはずはないのはわかるけど……その事はもう諦めたのか、彼は。 「あたしはこれからデェト♪ も早く彼氏作っちゃいなよー」 「余計なお世話だよっ」 冷やかすような姉の言葉に冗談っぽく返してから、私は彼女を見送った。 「……やっぱり」 ……。はぁー……。やっぱ、人に自分が見えないって嫌よね。 「ごめんね? 私には、何もできなくて」 そう私が言うと、」 「……。そっか優しさに私は何だか嬉しくなって、にっこりと笑ったまま棚からスプーンを二本取り出した。 「さ、ご飯食べよ!」 「」
という事で、記憶喪失で他人に見えない相手という微妙な立場でスタートします。 ロッカを選択するかリューグを選択するかで、相手のセリフと仕草は勿論、夢主の行動も微妙に違っていたりするので、 どちらも好きな方は、両方を見比べてみても面白いかもしれません。 |